初めての商業誌掲載が残した、現在との接点。
描き続ける意味は、誰かのため————————
年に4回のペースで、同人誌即売イベント「コミティア」に参加して、もう10年近くになります。
来場者は毎回約2万5千人。その中で、私のブースに立ち寄ってくださるのは、だいたい10数人ほど。
そんな数年間のなかで、一度だけ、忘れられない出会いがありました。
ある方が、「ずっと『えんばんうさぎ』を探していて、やっと巡り合えました」と言ってくださったのです。
どこでこの作品を知ったのかたずねると、「コミックモエで読みました」とのこと。おそらく、30年近くの月日が経っての再会だったのだと思います。
ああ、こんな出会いもあるのかと──
感激すると同時に、深い感謝の気持ちが込み上げました。
その方は、以後も『にこまんが』を手にとってくださり、今も変わらず読んでくださっています。
いつの間にか、時間の向こうで読まれていた。
こちらが忘れていても、その軌道はにこまんがへと向かっていた。
コミック・モエ1988年10月号 月刊MOE1月号別冊 No.5
ちなみに、掲載のキッカケは当時編集長をなさってた松田素子さんが、日本漫画家協会賞受賞を知って気に入っていただき、掲載となったように記憶しております。
ミニブック:コミック・モエ1988年10月号 月刊MOE1月号別冊 No.5
掲載:コミック・モエ1988年8月号 月刊MOE8月号別冊 No.4
掲載:コミック・モエ1988年12月号 月刊MOE12月号別冊 No.6
※なお、:コミック・モエはNo.6(月刊MOE12月号別冊)まで隔月で刊行された後に一度休刊。その後別の雑誌になりました。
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よろしくお願いします。
ではでは